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日文89(73)


それでも、阴阳纹から取り出した二振りの刀を构える。
その肩には外套がたなびき、背中の「悪即斩善即救」という六文字が勇気を与える。
「すごぉい……まだ、戦えるんだ……」
渐く呼吸を整えた千冬がベッドの上で気怠そうに身を起こす。
「今ならまだ间に合う。千冬、降伏してくれ!」
「无理。ショゴス様を裏切りたくないもの?」
「俺はおまえを斩りたくないんだっ!」
「斩るの?私を?よっちゃんが?」
「斩るっ。俺は退魔师だ!例え、相手がお前でも………」
「そっか」
千冬の周囲で、スライムが盛り上がる。
「くっ………」
何かをしてくる前に斩り捨てようとして。
だが、一歩を踏み出したところでよろめいてしまう。
なんとか、【童子切】を支えに体重を支えて転倒する事だけは防いだが、たったそれだけの事でも息があがる。

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「无理もないよ。普通、あれだけ搾り取られたら立ってなんかいられない。スライムは精液だけじゃなくて、霊力も吸っていたんだもの」
「く、くそっ………」
俺が动けずにいるうちに、スライムは3つに分かれ、それぞれが人型を形成していった。
「っ………」
その姿は、千冬の裸身そのもの。
薄緑色であることを除けば、外见上の违いは千冬本人がストレートの长髪であるのに対し、スライムは左からボブ、ポニーテール、ツインテールである事ぐらいだった。
「私の分身?……便宜上、千春、千夏、千秋とでも呼ぼうかな、あはは」
「く、くそっ………」
千冬そっくりのスライムたちが、じりじりと迫ってくる。
「私そっくりのスライム。よっちゃんに斩れるかなぁ?」
千冬本人はベッドの上で、にこにこと余裕の笑みを浮かべている。 nwxs9.cc
(やれるか………)
正直言って、千冬の言う通り、もはや霊力はほとんど残っていない。
その上、嬲られ続けた后遗症で体の节々が痛く、重い上に快楽の残滓が残っている。
この状态で戦うのはいくら俺が特级退魔师だったとしても不利だった。
(ならば、逃げるか………?)
扉は俺の背后にある。逃げ道はあるのだ。
(だが………情报を持ち帰らせる訳には………)
所々で意识が混浊していたため、确証は持てないが、千冬が外部と连络を取っている形迹はなかった。
与えてしまった情报は、まだ千冬の头と彼女のスマホのメモ帐にしかない。
(千冬をここで拘束すれば………まだ最悪の事态は防げる………)
呼吸を整え、体势を低く构える。
(俺なら、やれるっ……!!)
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